マイクの高校日記

 

クラスマネージメント 一晩で100万円稼いだ話 ナチュラルヘルパーの話 講義をしない先生

名誉生徒会 ぬいぐるみクマさん教育

 

このページではエドグレンハイスクールの学校生活や授業風景あるいは学校行事などを紹介していく。


 

クラスマネージメント

99/09/19

2ヶ月半ある夏休みで、日記をすっかりさぼってしまったが、なにをトピックにしようかなと考えている矢先、日本の「学級崩壊」のニュースが耳に入った。残念ながら「教師の学級経営能力も一要因」と新聞に書いてあった。同じ仕事をしている者として心が痛む。教える方も習う方も生き生きといい気分で学校に行けるといいのだが・・・。

そこで、ハイスクールではというと・・・、学級崩壊の話は全く耳にしないという訳ではないが、その予防を常日頃から実行しており、問題行動のある生徒・クラスはシステムとして、父兄―教頭―校長と連携・コミュニケーションをとっている。米国社会では、人間としての基本的なしつけは「親」、アカデミックな教育は「教師」の責任としている。つまり、教育ができる学校・学級環境づくりの責任者は、学校管理者であり、教師なのである。それらを遂行できなければ、最悪の場合、生徒は転校、退学、教師は転勤、退職という厳しさもある。又、「教師が向上心を失ったときは教壇を去るべきだ」とも。

さて、それでは、ハイスクールの先生たち向けのクラスマネージメント・バイブルを覗いてみることにしよう。

1.クラス経営―経営方針を生徒に徹底・親にも協力依頼

 1.教師はクラス経営方針を作成し、それを生徒に徹底させ、日常的に授

   業を自己評価し、反省し、よりよい授業を展開する。

 2.教師はクラス経営の手順、規則を生徒に周知徹底させることで、授業

   の効果をより高めることができることを知っておく。

 3.教師が教室で成功感を得るためには、次のことをしなければいけない

   ことを知っておく。

   1.生徒との明確なコミュニケーションを保持する。

   2.生徒との関係は陽性思考で築き上げる。

   3.クラスの手順、規則に従わない生徒には、その結果がどうなるの

     かを周知徹底させる。

2.学習態度のしつけーいい授業はいいルールから

 1.教師は生徒が授業を妨げる10の理由を知っておく。

 2.教師は生徒に期待することを明確に伝え、それに応じない生徒には、

    適切な指導法を身につけておく。

 3.教師は効果的なクラスルールを作成し、生徒、父兄に知らせ、教室に

   も掲示する。

3.生徒の注意を引くにはーいい授業は生徒の注意を引きつけてから

 1.教師は生徒の注意を誘引する様々な方法を知っておく。

 2.教師はいろいろな場面で最善の生徒誘因方法を行使することが、生徒

   をその課題に注目させ、留まらせる最も大事なことであることを知っ

   ておく。

4.授業のまとめー授業がわかり、よく覚えさせるために

 1.クラス分けをして、グループごとに復習させる。

 2.10:2―10分教えたら、2分復習の時間を当てる。

 3.3:2:1―レクチャー、映画、黙読など終了後、興味を持った部分

   を3カ所、もっと知りたい部分を2カ所、自分で実行したいと思った

   部分を1カ所など、書かせる。

 4.抽選券:時事のまとめ終了後、又は次回の授業のはじめに発表させる

   ために、クラスの中から抽選で2人選んで、そのうちの一人の名前を

   いう。もう一人は発表してもらう時点で名前をいう。

 5.一言サマリー。時事のまとめでランダムに生徒から一言づつ言わせ

る。

 6.定型分に当てはめて言わせる。例えば、(時事のクラスで学習したこ

   と)は(すでに知っていること・もの)のようだ。なぜなら(理由を

言う)。

5.臨機応変な授業展開―生徒が退屈したり、問題を起こさせないために。

 1.授業準備(教材、材料、ワークシートなど)の徹底。

 2.状況に応じて、異なったグループに、異なった2つ以上の指示を出せ

るようにする。

 3.状況に応じて、5分程度の特別授業案を常に用意しておく。

 4.突然の来訪者、電話、視聴覚機器の故障等に、対応できるようにして

おく。

 5.授業の難易度に応じて、臨機応変に授業法を変えられるようにしてお

く。

 6.指示した課題に応じて、残り時間等を生徒に教える。

 7.臨機応変にグループ分けができる。

 8.ものごとの展開を予期する力を付ける。

6.授業―成功例をまねして自分のものに

 1.教師は最善と思われる同僚の授業法を取り入れ、年毎に新しい授業テ

クニックを身につけることが望ましい。ただし、それが自分に会わな

いと思われるときは即座に中止するべきである。

 2.教師個々にあった多様な授業法を持つことによって、生徒の興味を引

きつけ、授業を生き生きとしたものにできる。

7.指導の明確さー生徒にわかるようなレベルとステップで

 1.教師は生徒が覚える課程において、明確な指導が重要であることを認

識していなければならない。

 

 

 

一晩で100万円稼いだ話

99/07/23

「ブースタークラブは食べ放題のスパゲティディナーを開催します。大人5ドル・子供3ドルです。私たちはエドグレンの教育活動資金を援助するのと同様に地域に奉仕するコミュニティーサービスをしています。すぐカレンダーに印を付けて、家族や友達と同様に「食欲」も連れて来てください。もしボランティアでお手伝いしたい人がいたらxxx-xxxx番のサンディーまでお電話ください。」

これはハイスクールのPTAが学校新聞に掲載した記事である。ブースターというと、自動車のバッテリーがなくなった時に他の車から電気を援助してもらうのに使うブースターケーブルでおなじみだと思う。その言葉を思い出してもらうとPTAがブースタークラブという名前で活躍しているのがわかる。

桜が満開の今年5月、物品サービスオークションが開かれた。主催者はブースタークラブである。一晩で9千ドルもの収益をあげたこのオークションは一体どういう仕組みになっているのか覗いてみよう。今年の2月頃こんな手紙が手元に届いた。「教師、生徒、日米の企業、商店主、団体の皆様、ブースタークラブでは生徒の教育活動を援助しています。皆様のアイデアのある物品や、貴重な時間を提供してください。」という。この手紙はおそらく、ブースタークラブ関係者の手によって、基地内の教師や生徒の家庭(約1500家族)、基地内外の企業、商店、友人らにくまなく配布されたと思われる。

さて、このあつーい熱意に答えてくれたオークションでのユニークな品物やサービスを紹介する事にしよう。

校長による洗車サービス・(ある教師の家庭での)イタリアン夕食サービス・スバル三沢販売の中古車購入券・華道教室授業券・三沢つぼ八ビール券・奥入瀬渓流第2グランドホテル宿泊券・オリエンタルバザーの無料名入れサービス券・教師や生徒による絵画作品・バーガーキング無料券・ピザ無料券・下田ジャスコ浴衣無料購入券・世界の骨董品・日本人形・墨絵・その他家庭の不要品などなど。学校の教師、生徒、父兄、地域の人々の教育への熱意が生んだ収益100万円であった。

 

ナチュラルヘルパーの話

99/07/22

新学期(9月)のある日に、校長から生徒のアンケートを採るようにいわれた。

その内容はいたって簡単で:

  1. 悩みや困ったときに相談する友達は誰か。
  2. 学校生活で主な気になること・心配事は何か。
  3. 問題があったときに相談する(学校の)大人は誰か。

アンケートは集計された後、上位ランキングの生徒や学校のスタッフの中から希望者に対してナチュラル・ヘルパーとしての研修を行うのだという。合宿式20時間コースの研修では次のノウハウ訓練を受ける。

  1. 仲間として友達の悩みを聞いてあげる。
  2. 迅速で適切な仲介をする。
  3. どういうヘルプができるか。
  4. 重大な問題に発展するのを未然に防ぐ。
  5. 学校や地域の専門家を利用して相談する。

さて、この研修を修了すると、ナチュラル・ヘルパーとして活躍することになるのだが、専門の教育や資格を持っていなくても、一番身近な友人だからこそできることがたくさんある。学校の成績の問題、性の悩み、友人関係の悩み、親の虐待の問題、自殺やドラッグの問題など、包容力のある信頼された仲間にうち明けることが多い。このnatural helpers は実はボランティアをしたいという生徒から提案されたプログラムだそうだが、実際どんな活動をやっているのか見てみよう。

  1. 心配事がある友達には支援を続ける。
  2. 意気消沈、薬物依存、虐待などの兆候が見られる友達の重大な問題は訓練された専門家に連絡し、問題をゆだねる。
  3. 他のナチュラル・ヘルパーと種々な問題を話し合う。
  4. 専門家に求められたときは正確な情報を提供する。
  5. 学校や地域の活動に進んで参加する。
  6. 孤独な人や転校生には進んで話しかけ、耳を貸す。
  7. より若い子供たちに教える技術を磨く。

ちなみに、エドグレンハイスクールのナチュラル・ヘルパーは現在30人が登録されている。全生徒数が600人(中学1年―高校3年)だから、20人に一人の生徒がヘルパーというわけである。ヘルパーの道は決して容易なことではないが、仲間と問題を分かち合い、問題が解決したときの「満足感」を青春のいい思い出に、がんばってほしい。

 

講義しない先生

99/07/18

ハイスクールではよく学年レベルで模擬国連議会や模擬裁判、または模擬市議会を開催している。また、教師が司会者になり、生徒が社会問題などをテーマにした議論や発表をしたりすることもある。講義式や対話式授業もさることながら、生徒同士が教えあったり、課題を自分で決めて発表したりすることはよくあることだ。

そこで、今日はアメリカンスクールの授業スタイルの特徴とでもいえる協同学習Cooperative Learning)を紹介しよう。この学習法は、生徒の良好な人間関係も期待できるとあって、医学的、心理学的にも注目されているという。

米国教育界で人気のあるWilliam Glasser博士によると、

私たちがものを学ぶのは

 10%が読むことから

20%が聞くことから

30%が見ることから

50%が見たり、聞いたりすることから

70%が他の人と話し合うことから

80%が個人的に体験することから

90%が誰か他の人に教えることから

 だそうである。

 それでは、「協同学習」の教師向け「メモ」をちょっと覗いてみよう。

 1. 生徒の積極的な協同作業はグループ又は生徒一人一人が進んで協力する場合に生じる。

  1. グループメンバー個々の成功感は生徒各々の成功/貢献感なしには期待できない。
  2. グループ全体の成功感は各メンバーの成功/貢献感なしには期待できない。

2.グループにおける生徒個々の参加は、通常授業以上の教育的効果がある。

3. グループ指導―複雑な課題を協同学習する場合は、先ず、人の話の聞き方、問題解決法を学ばせる必要がある。グループによっては課題をもっとわかりやすく説明したり、課題に集中するように注意したり、励ましたりする必要がある。 (Kagan、1990年)

4. グループ構成―まず、各グループ2人から始めたらいい。順次、理想的サイズ4人のグループ構成-へ移行してみる。

  1. メンバーは教師自身で選ぶ。メンバーの能力レベルをミックスするように配慮する、つまり、4人の場合、1人はレベルの高い生徒、2人は平均、1人はレベルの低い生徒を選ぶようにする。
  2. 生徒間の問題は可能な限り回避する。例えば、仲が悪い生徒同士とか、おしゃべり好きな生徒同士は同一グループを避けるなど。

さて、多少参考になっただろうか。Remember!!

 生徒同士の社会的交流は通常の教育的授業と同じくらい重要だ。

 

 

名誉生徒会(NHS)

99/07/16

 

ぬいぐるみクマさん教育  


99/07/05  

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